専門外でも外来患者診療 愛媛大生ら実践型実習
地域医療を担う医学生を育てるための実践型臨床実習「闘魂外来」が16日、新居浜市北新町の十全総合病院であり、愛媛大などから9人の医学生が参加した。専門分野にとらわれない幅広い視野の診察を目指す「総合診療医」で地域医療機能推進機構本部顧問の徳田安春医師(東京)が企画し、愛媛での開催は初めて。
医学生は指導医と3チームに分かれ、病院を訪れた外来患者計9人を約5時間かけて診察。症状や生活習慣を尋ね、爪や表情にも目を凝らし、患者の訴えに耳を傾けた。患者に一度退室してもらってチーム内で症状を分析、再び面談するという診察を繰り返した。
子どもの診察では、指導医が「同じ目線から自己紹介して安心させて」「患者にどんな不安があるのか考えてみて」と助言した。8歳の息子の診察を終えた母親は「話を聞いてくれ、学生さんも含め、いろんな角度からの意見を聞けて良かった」と話していた。
「闘魂外来」は、どんな患者も断らない決意を込め、徳田医師が2009年から各地で実施している。